Jul 25, 2019

【Q&A】久留米絣ってそもそもなんですか?

Q. 久留米絣ってそもそもなんですか?

A. まず久留米絣は「くるめがすり / かすり」と読みます。福岡県南部の久留米・筑後地域で織られている、絣(かすり)の綿織物です。

では「絣(かすり)」とはなんなのか。
すごく大雑把にいうと、柄をつくる技法の一つです。

では、どうやって柄を作るのか?というと「糸を縛る(くくる)」ことです。織る前の段階の糸を縛り、染めて、ほどいて、白く残ったところが模様になります。織ったあとの布に色や模様をつくる染めやプリントと違い、かすれたような独特な模様になることから絣(かすり)といわれるようになったという説もあります。

この絣の技法は、英語では「イカット(ikat)」と呼ばれ、実は世界中に存在します(ちなみにikatはマレー語で「縛る」の意)。
7-8世紀頃にインドで発祥したといわれており、その後東南アジア全域・中東イスラム圏・ヨーロッパ・中南米などへ広がっていきました。

日本へは最初に14-15世紀頃に琉球王国へ伝わり、1800年初頭に、日本本土で同時多発的に織られはじめられた絣織物の一つが、旧久留米藩の周辺地域で発達した久留米絣です。久留米絣は、井上伝という少女が最初に考案し技法を広めたといわれています。

久留米絣は日常着の着物として高い人気を誇っていました。しかし戦後に着物が着られなくなると、需要はどんどん落ちていき、最盛期は300件以上あったといわれる織元も、現在は20数件ほどまで減っています(2019年現在)。

現在の産地は、久留米市は問屋がほとんどで、織元は広川町・筑後市・八女市などいくつかの市町村にまたがっています。藍染手織りの伝統的な織元から、機械織り化学染料の織元までグラデーションがあり、生地感や柄などにも個性があり、多様性が残っているのが特徴です。


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