Jul 25, 2019

【Q&A】どうしてMONPEには主に久留米絣が使われているの?

Q. どうしてMONPEには主に久留米絣が使われているの?

A. 久留米絣を主に使っているのには、大きく分けて3つ理由があります。

1. 歴史的文脈から:
もともと「もんぺ」は戦時中に生まれ、戦後に農作業着として定着した女性用のズボン型衣服で、当時の女性たちは着物をほどいて、もんぺを作っていました。戦後、もんぺが普及した際に生地としてよく使われていたのが久留米絣だったのです。綿織物でも様々な生地がある中で、久留米絣の生地特性ともんぺの相性が良かったからこそ、現代まで残ってきたのだと考えています。そうした歴史的背景からも、MONPEと久留米絣は切っても切り離せない関係です。

2. 機能性から:
農作業着として穿かれたもんぺには、ワークパンツとしての機能性が求められます。久留米絣は、80年ほど前の小幅(約38cm)のシャトル織機で織られ、現代の高速織機と比べるとやわらかい風合いが特徴です。特に久留米絣の産地では、糸の本数や織るときのテンションを調整することで、通気性がよく、やわらかく、軽い生地が織られています。久留米絣は柄ももちろん特徴ですが、何よりもこの生地の機能性が、高温多湿の日本の気候に合っており、もんぺ用の生地として選ばれてきた理由だと考えています。

3. 経済的側面から:
久留米絣は、昔ながらの藍染手織から少し効率化された化学染料機械織まで、産地の中でも織元が多様なのが特徴で、生地値にも幅があります。MONPEシリーズでは初めての方でも手に取りやすい入り口として、化学染料機械織の生地を主に使っていますが、最終的には複雑な柄物や藍染手織の久留米絣も知ってもらいたいと思っています。かつては300件あった織元もいまは20数件。身につけてもらえる層を開拓し、流通量を増やしていくことで、久留米絣の産地が残って欲しいと願っています。


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