【ブログ】手織りと機械織り
手織りと機械織りについて
テキスタイルにもいろいろな種類がありますが、その織り方には大きく分けて2つの種類があります。「手織り」と「機械織り」です。
織物は、たて糸とよこ糸を交差させながら織ることで、糸から布になります。この「織る」という工程を効率よく行うために、人類が考え出したのが「織機」です。
織機にもさまざまな種類がありますが、基本的な動きはどれも一緒です。たて糸を張り、間によこ糸を通し、交差させて組み込んでいく動作を繰り返します。こうすることでひとつの布へとなっていくのです。
「手織り」とは、この一連の動作を織機を使いながらも、手作業で行う織り方です。地面に杭を打ってたて糸を張る地機(じばた)や、腰にたて糸を巻いて織る腰機(こしばた)、そして日本各地の織物産地でも現役で使われている高機(たかはた)などの人力織機を使って、織っていきます。当然、時間も手間もかかりますが、やわらかく風合いのある生地になるのが特徴です。MONPEでもごく一部ですが、久留米絣の藍染手織りの生地や、グアテマラの絣生地などがあります。
対して「機械織り」とは、モーターなどの動力で織機を動かす織り方です。1785年にイギリス人のエドモンド・カートライトがつくった「力織機(power loom)」をきっかけにして広まり、産業革命を主導するまでの存在となります。動力織機の台頭で、手織りの人力織機は工芸品や伝統産業などでのみ使われる、希少な存在となっていったのです。この数百年で織機技術も大幅に発展し、エアージェットやウォータージェットなど、超高速のハイテク織機なども登場しています。(※動力織機の歴史や特徴については、別ブログで紹介します)
現代の洋服などに使われる布のほとんどは、機械織りの織物がほとんどです(もちろん機械織りといっても、昔ながらの力織機からウォータージェットまで種類は幅広くあります)。手織りは、ごくごく一部の産地や作家物として残っている貴重な存在です。
久留米絣や博多織など、手織りと機械織りが産地に混在している場合もありますし、琉球絣のように手織りのみの産地もあります。逆にもともとは手織りだったけれども、機械織りに完全に移行した産地もあります。「手織りと機械織り」という視点から、改めて産地や生地をみて、体感として比べてみると新たな発見があるかもしれません。
○MONPEを通して生地・産地を知ってほしい
うなぎの寝床では、こうした生地や産地のことを、体感から知ってもらいたいという思いで、MONPEという型を通して伝えていく活動をしています。意外と身近なところで作られているテキスタイル。実際に身につけることで、その特徴や良さを知ってもらえたら嬉しいです。
MONPEのコンセプト:http://monpe.info/?page_id=35
MONPEの種類:http://monpe.info/?cat=5
MONPEの通販:https://bit.ly/2QRHuLh
※サムネイル画像クレジット:
Model: 翔工房 田篭みつえ
Photographer: 藤本幸一郎